ジャケットのボタンの掛け方

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ジャケットのボタン

ジャケットのボタンの掛け方を意識したことはありますか。
日常的にスーツを着る方であれば、一番下のボタンは掛けないようにしていると答えるかもしれません。
大人になれば、ジャケットを着る機会はあるものの、その着方を教わる機会はないのではないでしょうか。
今回は、ジャケットのボタンの掛け方を解説したいと思います。

シングルブレステッドのボタンの掛け方

シャツは元々下着であり、人に見せるものではありませんでした。
下のイラストは18世紀の装いです。シャツがほとんど見えていないことが確認できます。
シャツを極力見せないという観点から、ボタンを1つも掛けていない状態は避けてください。


















ただし、次のように、すべてのボタンを外してもよい場合があります。
1つは、ウエストコート(ベスト)を着用している場合です。
ウエストコートがあれば、シャツを覆うことができ、ジャケットのボタンを外しても礼を失することにはなりません。















2つ目は、座る場合です。
シャツは下着であり、人様に見せるものではないという本来の常識に照らせば、ウエストコートを着用していなければ、座るときもボタンを掛けておくことが望ましいです。

しかし、時代の流れの中で、装いは簡素化され、シャツ1枚で出歩くことができるようになりました。
近年では、ボタンを外すと、窮屈さを感じない、ジャケットが皺になりにくい等の理由で、”立っているときは掛けて、座るときは外す”ことがマナーという考え方が受け入れられるようになりました。
現代においては、”座るときはボタンを外してもよい”という解釈が正しいです。
したがって、座っているときにボタンを掛けたままでいることは問題なく、むしろ、その方が望ましいです。
例えば、チャールズ皇太子はほとんどの場合、座っているときでもボタンを掛けています。

ウエストコート着用(2つボタン1つ掛け)
3つボタン1つ掛け
3つボタン2つ掛け
1つボタン
Woody Hochswender, Kim Johnson Gross, Men in Style: The Golden Age of Fashion from Esquire, New York: Rizzoli International Publications, Inc., 1993, p.63.
Chris Jackson/Getty Images
https://www.harpersbazaar.com/jp/celebrity/celebrity-fashion/g33398458/camillaparkerbowles-fashion-200723-hns/?slide=13

立っているとき座るときに関わらず、一番下のボタンは掛けないでください。
一般に、一番下のボタンを掛けないことを前提に仕立てられており、掛けてしまうと、不自然な皺が寄る等シルエットが崩れてしまいます。

パドックカット Paddock cut (通常より高い位置にボタンが取り付けられたジャケット)のように、すべてのボタンを掛けることを前提としたジャケットは例外です。

パドックカット

シングル3つボタン2つ掛け

上2つを掛ける、真ん中のみを掛ける、一番上のみを掛けるから選択してください。
一番上のみを掛ける装いは、19世紀後半までに比較的よく見られた装いであり、1930年代以降あまり見かけなくなりました。
現代では、上2つを掛ける、または、真ん中のみを掛けることが正しいという考え方もあります。

上2つを掛ける
真ん中のみ掛ける
一番上のみ掛ける
John Peacock, MEN’S FASHION THE COMPLETE BOOK,
New York: Thames and Hudson Inc., 1996, p.114.

シングル3つボタン1つ掛け(段返り)

段返りは下襟にボタンホールがある意匠です。
シングル3つボタン1つ掛け(段返り)は、一番上のボタンが掛けられない仕様になっていることから、2つボタン1つ掛けと同じ扱いとなります。
真ん中のボタンを掛けてください。

シングル2つボタン1つ掛け

一番上のボタンを掛けてください。

シングル1つボタン

通常、1つボタンはフォーマルウェアです。
ボタンを掛けてください。

右の紳士がシングルブレステッド1つボタン

ダブルブレステッドのボタンの掛け方

ダブルブレステッドは掛けられないように仕立てられているボタンを除いて、掛けられるボタンはすべて掛けることが基本になります。
ただし、立っているとき、座るときに関わらず、ボタンを1つも掛けていない状態にならないとき、一番下のボタンを外すことができます

ダブル6つボタン3つ掛け

ダブルブレステッド6つボタン3つ掛けは、20世紀初期あたりまでに見ることができる古典的な意匠です。
一番下のボタンを外すことができます。

John Peacock, MEN’S FASHION THE COMPLETE BOOK,
New York: Thames and Hudson Inc., 1996, p.113.

ダブル6つボタン2つ掛け

一番下のボタンを外すことができます。

ダブル6つボタン1つ掛け(段返り)

ダブルブレステッド6つボタン1つ掛け(段返り)は、ほとんどの場合、ボタンが逆ハの字に配置されており、上2つのボタンは元々ボタンが掛けられないように仕立ててあります。
一番下のボタンを必ず掛けてください。

ダブル4つボタン2つ掛け

一番下のボタンを外すことができます。

ダブル4つボタン1つ掛け(段返り)

ダブルブレステッド4つボタン1つ掛け(段返り)は、多くの場合、上下のボタンが同一線上になく、上のボタンは元々ボタンが掛けられないように仕立ててあります。
一番下のボタンを必ず掛けてください。

以上、ジャケットのボタンの掛け方の解説でした。
お読みいただきありがとうございました。
ご感想、ご質問がございましたら、どうぞお気軽にコメントください。

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