はじめに

「bond james bond」とはあまりにも有名なセリフで、 Dr. No の冒頭のシーンは半世紀以上続くシリーズの幕開けとなりました。
このシーンの直前にボンドの手元が映るシーンがあります。
袖に折り返しがあるのに気づかれた方はいますか。
これはターンバックカフス turn back cuffs や ガントレットカフス gauntlet cuffs 等といいます。

下に、もう少し分かりやすい写真があります。

今回は、ターンバックカフスについてご紹介したいと思います。
ターンバックカフスとは
現在のトラウザースがブリーチズ(半ズボン)であった18世紀ではターンバックカフスは一般的なディテールでした。
19世紀に入ると、ターンバックカフスはそれを似せたデザインに簡略化され、やがてターンバックカフス自体珍しいディテールになりました。

施された取り外し可能な袖口が
付いている18世紀の上着
https://www.metmuseum.org/art/
collection/search/80404?deptids
=8&when=A.D.+1600-1800&ft
=*&offset=160&rpp=40&pos=198

施された取り外し可能な袖口が
付いている18世紀の上着
https://www.metmuseum.org/art/
collection/search/80404?deptids
=8&when=A.D.+1600-1800&ft
=*&offset=160&rpp=40&pos=198



https://www.metmuseum.org/art
/collection/search/91678?deptids
=8&when=A.D.+1600-1800&ft
=*&offset=200&rpp=40&pos=213

https://www.metmuseum.org/art
/collection/search/91678?deptids
=8&when=A.D.+1600-1800&ft
=*&offset=200&rpp=40&pos=213

https://www.metmuseum.org/
art/collection/search/83181?rpp=90&pg
=1&ao=on&ft=suit&when
=A.D.+1800-1900&pos=49

https://www.metmuseum.org/
art/collection/search/83181?rpp=90&pg
=1&ao=on&ft=suit&when
=A.D.+1800-1900&pos=49
ターンバックカフスはドレッシー?スポーティー?
先のショーン・コネリー氏のディナージャケットを見て、ターンバックカフスはフォーマルなディテールだという声もあれば、反対に、下のチャールズ国王のスポーツコートを見て、スポーティーなディテールだという声もあります。
実際は、ターンバックカフスはフォーマルウェアからスポーツコートまで採用されるディテールであり、ターンバックカフスの有無はドレス度合いを左右しません。


(左右の紳士)(1939.1 esquire)

(1939.11 esquire)

ストライプ柄の梳毛スーツに、
ターンバックカフス。
(1939.11 esquire)

ターンバックカフス。
(1939.6 esquire)

ターンバックカフス。
(1939.9 esquire)
おわりに
今回はターンバックカフスという現代では珍しいディテールをご紹介しました。
ターンバックカフスはフォーマルウェアからスポーツコートまで採用されるディテールです。
このディテールはその存在感と珍しさから目を引きますが、フランス革命以前の宮廷服を想起し、気品が感じられます。
スーツやジャケットを誂えている方は一度試してみてはいかがでしょうか。
今回は以上になります。
コメント、リクエストがあればお気軽にどうぞ。
ではまた次の機会に。
P.S.
お問い合わせフォームやコメント欄からいくつかご質問をいただいており、ありがとうございます。
返信について今しばらくお待ちください。
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