シャツとジャケットの袖丈の適切な長さ

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シャツとジャケットの袖丈

皆さんはシャツやジャケットの袖丈をどのように決めていますか。
お店で購入する際、店員さんから「シャツがジャケットから少し覗くとよいバランスです。」と聞いたことはないでしょうか。
しかし、何を基準にそれぞれ袖丈を決めればよいのでしょうか。
今回はシャツとジャケットの袖丈の適切な長さを解説したいと思います。

シャツの袖丈の適切な長さ

布帛で伸縮性のないシャツを着用しながら、スムーズに腕を動かすには、腕よりシャツが長い必要があります。
カフスが親指の付け根に達する長さが1つの目安になります。
最低でも親指の付け根と手首の骨が出っ張ったところの真ん中に達する長さがあるとよいと思います。

ただし、アームホール(袖と身頃が縫い合わされている部分)が大きいと、腕を動かしたときに袖が引っ張られ、シャツの袖がジャケットの袖口から覗きにくいことがあります。

既製品のシャツを購入する場合、「カフスが親指の付け根に達する長さ」とすることをおすすめします。

カフスの位置

ボタンを留め、自然に腕を下した状態で、手首の骨が出っ張ったところをちょうど覆うようにカフスがとどまるようにします。
手首の骨が出っ張ったところから親指の付け根までの生地の余りは腕を動かすときに必要なゆとりとなります。





















適切な位置にカフスをとどめるには、カフスの大きさが重要です。
カフスが緩すぎるとカフスがずり落ちてしまったり、カフスがきつ過ぎるとボタンに余計な負担が掛かったりカフスに皺が寄ったりしてしまいます。
カフスのボタンを留めたとき、カフスに無理なく指一本が入る大きさが適正です。
これはシャツの首回りのサイズ感に似ています。

カフスに無理なく指一本が入る。

ジャケットの袖丈の適切な長さ

ジャケットの袖丈はシャツの袖丈よりも短くなるようにします。
それによって、ジャケットに直接肌が触れず、皮脂汚れから守ることや、ジャケットの袖口の擦り切れを防止することができます。
自然に腕を下ろし、手首を外側におよそ90度に曲げたときに、手の甲にスーツの袖が触れるか触れないかが1つの目安です。


「自然に腕を下したときに、ジャケットの袖からシャツが○cm覗くバランスが正しい。」と言われることがありますが、これは結果として起こることです。
ジャケットからシャツが覗く長さに決まりはありません。

カフスは4cm程度覗いている。

Chris Jackson/Getty Images
https://www.vogue.co.jp/celebrity
/article/prince-charles-
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以上、シャツとジャケットの袖丈の適切な長さの解説でした。
お読みいただきありがとうございました。
ご感想、ご質問がございましたら、どうぞお気軽にコメントください。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 装い研究者様

    この記事に関する疑問があります。シャツとジャケットを着用する際の裄丈は親指に達する程度であるとのことですが、シャツの上にセーターやカーディガンのようなニット類を着用した場合の裄丈が気になります。ニットは手首ぐらいの長さのものが多いためシャツが親指ほどの長さでは、はみ出してしまい不格好に見えるように思います。裄丈の短いシャツを着るべきかなのか長いニットを着るべきなのか、そもそもはみ出ることは不格好なのか、といった基本的なことですが若輩者につき回答していただけると幸いです。

    • リンドー様

      いつもフォローありがとうございます。
      いただいたご質問に回答します。

      長袖のセーターやカーディガンは、伝統的には防寒を目的とした厚手の衣服で、カフスと手首の隙間を埋める袖口のリブを備え、主として最も外側に着用されてきました。 
      (昔はスポーツコートの下に着用する場合、かさばらない袖なしのものが好まれました。)

      古典的には、長袖のセーターやカーディガンの袖口からシャツのカフスが露出しないということになります。
      リブの位置の基準としては、自然に手を下したときにリブが手の指にかかるほど落ちず、シャツのカフスを覆いかぶせるあたりです。
      (当該記事にて解説のとおり、シャツのカフスは手首の骨が出っ張った部分をちょうど覆う位置にあることを前提としています。)
      これは、古いカタログやイラストレーション等からも確認できます。

      ただし、シャツのカフスが露出すること自体は忌避されるものではないため、長袖のセーターやカーディガンの袖口からカフスが見えても差し支えありません。
      例えば、ゴルフの際にスイングをするとシャツのカフスが自然に覗くこともありますし、スポーティな衣類であり、意図的にラフに着こなすことも問題とはされません。

      また、ご指摘の「ニットは手首ぐらいの長さのものが多いためシャツが親指ほどの長さでは、はみ出してしまい不格好に見える」という点についてですが、適切につくられた長袖のセーターやカーディガンであれば、袖丈は十分確保されており、編地の伸びも相まって、前述の基準を満たす長さがあります。

      もっとも、セーターやカーディガンの袖口とシャツのカフスの関係は、ジャケットとシャツの関係ほど厳格ではありません。
      セーターやカーディガンはあくまで実用的でスポーティな衣類であり、細部に過度に神経質になる必要はなく、全体として自然に見えていれば十分でしょう。

      以上になります。
      引き続きフォローいただければ幸いです。

      装ひ研究所 管理人

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