ウールのネクタイの正しい合わせ方

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はじめに

昨年12月に、ミス・ユニバースで日本代表が着用した衣装に批判が殺到したことがありました。
日本の伝統衣装である着物をモチーフにした衣装が ”左前” であったことから、死に装束のようだと受け止められました。
イスラエル人デザイナーがデザインした衣装であり、他意なく、単にそれを知らなかっただけだと思います。
一方で、「無知は罪なり」という言葉もあります。
後から「知らなかった」では済まされないことも世の中にはあるということです。

洋服は文化であり、長い歴史の中で確立されてきた正しい装いを真摯に学ぶしかありません。
当ブログでお伝えしていることがその一助になれば幸いと思っています。

大袈裟なことではありませんが、今回は、ウールのネクタイの正しい合わせ方を解説したいと思います。

ウールのネクタイの合わせ方

スーツに合わせる場合

ウールのネクタイをスーツに合わせる場合、チェック柄や紡毛、コーデュロイ等、スポーティなものに合わせてください。
ビジネスフォーマルといって思い浮かべるような、「ネイビー・ミディアムグレー・チャコールグレーで、 無地やシャドーストライプ、ピンストライプ、ペンシルストライプ等柄が控えめな梳毛スーツ」にはウールのネクタイは合いません。

黒地に赤い水玉模様のウールのネクタイを
茶のシャークスキンのスーツに
合わせている。(1935.10 esquire)
茶のようなスポーティなスーツにウールのネクタイは合う。
チョークストライプのフランネルスーツに、
チェックのウールのネクタイを合わせている
(左の紳士)。(1937.9 esquire)
紡毛のスーツにウールのネクタイはよく合う。
両者ともウールのネクタイを着用している。
(1936.9 esquire)
チェック柄のスーツやヘリンボーン柄のスーツに
ウールのネクタイはよく合う。
コーデュロイのスーツに、
カシミアのネクタイを
合わせている。
(1939.10 esquire)

スポーツコートに合わせる場合

スーツと同様に、ウールのネクタイをスポーツコート(ジャケパンスタイル)に合わせる場合、チェック柄や紡毛、コーデュロイ等、スポーティなジャケットに合わせてください。

ヘリンボーンのジャケット、
茶系のフランネルトラウザース、
赤いフーラードのポケットチーフ、
茶の起毛素材のモンクストラップシューズに
赤と白のウールのネクタイを合わせている
(左の紳士)。(esquire 1942.6)
チェック柄のジャケット、
ブルーのオックスフォードシャツ、
ミディアムグレーのトラウザースに
ウールのネクタイを合わせている
(左の紳士)。(1935.9 esquire)

おわりに

ウールのネクタイは、 チェック柄や紡毛、コーデュロイ等、スポーティなスーツやジャケットに合わせるものです。
したがって、ウールのネクタイはビジネスシーンに相応しくない場合が多いです。

季節感を取り入れようと、ウールのネクタイをビジネススーツに合わせることを考えていた方もいるかもしれませんが、ビジネスでは殊更に季節感を演出する必要はありません。
例えば、モヘア混の薄手の平織のスーツから綾織の厚手のスーツに衣替えしただけでも十分に季節感を表現することができています。

今回は以上になります。
コメント、リクエストがあればお気軽にどうぞ。
ではまた次の機会に。

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