グレナディンタイの合わせ方

目次

はじめに

今回は特徴的なテクスチャで人気を博しているグレナディンタイを取り挙げたいと思います。

グレナディンとは

グレナディンタイのグレナディンとは、経(タテ)糸を緯(ヨコ)糸にねじり絡ませて織られた立体感のある織物であり、レノ織(絡み織)の一種です。

日本語のサイトで、フレスコという表現でグレナディンタイを指すことがありますが、フレスコは Martin Sons & Company の開発した強撚糸をつかった夏向けの服地であり、基本的にウール素材の平織であるため、グレナディンとフレスコは全くの別物であり、グレナディンタイをフレスコタイと呼ぶのは間違っています。

レノ織
https://en.wikipedia.org/wiki/Leno_weave

グレナディンの最も古い用途として知られているのは、18世紀のフランスで着用された黒いレースであり、その後の伝播の経緯は不明ですが、現在では、イタリアの機屋 Fermo Fossati フェルモ フォサーティとSeteria Bianchi セテリア ビアンキ の2社が主に生産しています。

Grenadine
1 . A fabric made of hard twist yarns in a leno weave, it is an open weave dress fabric made of hard twisted cotton, man-made fiber, silk or wool. Several dents are left empty, creating open spaces, and several warps are then placed in one dent to form stripes, checks or other patterns. Sometimes called black lenos when woven with black filling. Made in many qualities.
2. A fine, stout, hard twist silk yarn used in hosiery and laces.
3. A fine, loosely woven fabric, plain or with woven dots or figures, is called curtain grenadine.
4. A table linen damask made in France.
5. A black silk lace worn in France in the 18th century.
グレナディンとは
1. 強撚糸をレノ織にした織物で、強撚のコットン、人工繊維、シルク、ウールなどで織られたオープン・ウィーブの服地。筬(おさ)の隙間の1つに対していくつかのタテ糸を入れ、ストライプやチェック等の柄をつくる。黒いヨコ糸で織られたものはブラック・レノスと呼ばれることもある。様々な品質でつくられる。
2. 靴下やレースに使われる、細くて丈夫な硬く撚った絹糸。
3. 上質でゆったりとした織物で、無地またはドットや図形が織り込まれたもので、カーテン・グレナディンと呼ばれる。
4. フランス製のダマスク織のテーブルリネン。
5. 18世紀のフランスで身に着けられていた黒い絹のレース。

Isabel B. Wingate, Fairchild’s dictionary of textiles, New York: Fairchild Publications, 1979, p.275

グレナディンの種類

グレナディンには、織り目の細かい Garza Fina と、目の粗い Garza Grossa があります。
日本の売場では、 Garza Grossa を比較的よく見かけます。

このグレナディンタイのアイコン的存在といえば、ショーン・コネリー Sean Connery 氏演じるジェームズ・ボンドであり、ショーン・コネリー氏は映画の中で Garza Grossa を着用しました。

ショーン・コネリー氏

グレナディンタイの着こなし

グレナディンタイは、その透け感が涼しげな印象を与え、春夏物と相性がよいネクタイです。
しかし、グレナディンタイのもつ立体感が厚みのある装いに調和するとして、秋冬物と合わせられることもあります。

シルクのグレナディンタイは、色柄を勘案して自由にスーツやスポーツコートに合わせることができます。

春夏向きのグレーのピンストライプスーツ、
ピンクのシャツ、黒のグレナディンタイ、
格子柄のポケットチーフ
(Clothes and the Man)
秋冬向きのチョークストライプスーツ、
ストライプ柄のシャツ、
えび茶色のグレナディンタイ、
ドット柄のポケットチーフ
(Clothes and the Man)

Silk Grenadine – With its quicksilver shimmer and informal texture, equally at home with suits and sportcoats, a navy grenadine is considered by many to be the single most versatile tie a man can own. Grenadine’s airy weave was originally intended to be worn in spring and summer with similarly open-weave shirts and jackets (most iconically in a maize yellow). Although grenadine’s textural dimensionality can pair well with tweed and flannel, there’s always a pleasure in reserving seasonal items for their intended climate.
シルク・グレナディン – 水銀のような輝きとインフォーマルな質感をもち、スーツにもスポーツコートにも似合うネイビーのグレナディンは、男性にとって最も万能なネクタイと言われています。グレナディンの風通しの良い織りは、もともと春から夏にかけて、同じようにオープン・ウィーブのシャツやジャケット(最も象徴的なのはメイズ・イエロー)と合わせることを想定していました。グレナディンの立体感はツイードやフランネルとも相性が良いですが、季節のアイテムを本来の気候に合わせて選ぶ楽しみもあります。

https://alanflusser.com/musings-tutorials//the-navy-tie
デューク・エリントン氏 duke ellington

フランネルのスーツとグレナディンタイの
組み合わせは定番の装いと
見なされるようになっている。

おわりに

今回は、グレナディンタイを取り挙げました。
グレナディンタイは、スーツからスポーツコートまで合わせることができる春夏に最適なネクタイであり、秋冬に着用されることもあります。

今回は、以上になります。
取り挙げてほしい題材やご質問、ご感想等お気軽にコメントください。
ではまた次の機会に。

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