エドワードグリーン Edward Green 888 Malvern III ~ 808と比較して

目次

はじめに

今回は、888ラストのマルバーン Malvern III について、808ラストと比較しながら、ご紹介したいと思います。

888 Malvern III

888ラストのマルバーン Malvern III です。
ダークオークアンティークとミンクスエードのコンビです。
色を同じトーンにして、テクスチャのみに差をつけるというのは絶妙なコントラストを生み出します。
私はこの雰囲気がとても好きです。

以前ご紹介した808 Gladstone と比較していきます。
サイズは、888が5E、808が5Dとウィズの違いがあることにご留意ください。

見た目

横から

888
808

ぱっと目につくのは、履き口の縦幅の違い(888 < 808)と、靴の屈曲部の高さ(888 > 808)の違いです。

上から

左808、右888

888の方が履き口の縦幅が短いのが分かります。
測ってみると、約1cmの差があります。

正面から

888
808

やはり808はビスポーク然とした捻じれと、外側への傾斜が美しいです。
写真から、808の屈曲部の低さがよく分かると思います。
このように正面から見ると、888は808ほどエッジの効いたラストではないことが分かります。

また、正面から見ると、もう1つ気になる違いが見えてきました。
それは、ハトメとハトメの距離です。

888
808

888は、808に比べて、ハトメとハトメの距離が長く、少し間の抜けた、とぼけた印象を受けます。
愛嬌があって、好きな顔です。
808ほどエッジの効いたラストではないことや、ハトメとハトメの距離が長いことから、スクエアトーであるものの、ドレス顔過ぎはしません。
セミブローグやウィングチップといったブローグシューズにちょうどマッチするラストだと思います。

一方、808はラストのメリハリも相まって、精悍な顔をしています。
黒のストレートチップなら、808の方が相性がよいと思います。

愛嬌のある888
キリッとした808
愛嬌のある888
キリッとした808

後ろから

左808、右888

888の方が明らかにヒールが高いことが分かります。

また、ヒールカップは888の方が小さく見えますが、これはシューツリーによるものかもしれません。
888にはとてもタイトなシューツリーを入れており、かかとが縦に強く伸ばされています。
一方、808には純正のシューツリーを使い、純正ツリー特有の、かかとが大きくつくられていることから、横に伸ばされています。
808のかかとのフィット感が緩いのは、シューツリーのせいではないかと疑っています。

履き心地

808は、ボールガースやウエストガースが低く設計されており、前足部をホールドしてくれます。
紐を締めると、上から抑えられている感覚があります。

一方、888は、808をコンフォートにしたラストといわれており、その通り、前足部には808ほどの圧迫感はありません。

特に、888は小指のスペースが確保させており、指が当たる不快感がありません。

普段、小指が当たることを気にされている方にはおすすめできます。
ウィズの違い(E888 > D808)を考慮して、ハーフインソールを888に入れて履いてみましたが、特に感想は変わりません。
888は、紐を締めると、履き口周りでよく抑えが効いている感覚があります。
これは、「見た目」で検証したように、888の方が履き口が短いというのが一因だと考えられます。
指先に適度なゆとりがあり、履き口で抑えるというのは、スニーカーの着用感に近く、万人受けしやすいのではないでしょうか。

また、エドワードグリーン特有の、土踏まずを持ち上げるような感覚は、どちらの靴にもあります。

おわりに

ここまでの話を簡潔にまとめると、次の通りです。

888808
見た目【ドレス顔すぎず、ブローグシューズにはぴったりのラスト】

・履き口が短い。
・屈曲部は内側と外側で差が少ない。
・ハトメとハトメの距離が長い。
【ドレス顔で、ストレートチップにはぴったりのラスト】

・履き口が長い。
・屈曲部は全体的に低く、外側に行くほど低くなる。
・ハトメとハトメの距離が短い。
・メリハリがある。
履き心地・前足部を抑えられる。
・土踏まずを持ち上げるような感覚。
・履き口の周りを抑えられる。
・土踏まずを持ち上げるような感覚。
888と808の比較

888も808もよい顔をしており、履き心地も申し分ありません。
ビスポーク靴ほどに押し出しは強くないが、おっと思わせる魅力があるのがエドワードグリーンの靴であると思います。

今回は以上になります。
コメント、リクエストがあればお気軽にどうぞ。
ではまた次の機会に。

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