イングリッシュ・スプレッドカラー English Spread Collar

目次

はじめに

今回は、シャツの代表的な襟型であるイングリッシュ・スプレッドカラーを取りあげたいと思います。
イングリッシュ・スプレッドカラーは、日本でいうワイドカラーを指す場合や、セミワイドカラーを指す場合がありますが、ここでは、「襟先が下を向いているのではなく、外側に向いているもの。シャツを平置きしたとき、真上から見ると、襟の開きがおよそ180度であるもの。」とします。

Brooks Brothers English Spread Collar
Miller’s Oath English Spread Collar

カッタウェイカラーとの違い

イングリッシュ・スプレッドカラーは、カッタウェイカラー Cutaway collar と混同されることもありますが、互いに異なる襟型です。

イングリッシュ・スプレッドカラーは、シャツを平置きしたとき、真上から見ると、襟の開きがおよそ180度であり、着用して正面から見ると、120度前後の開きに見えます。

一方、カッタウェイカラーは、シャツを平置きしたとき、真上から見ると、襟の開きが180度以上であり、着用して正面から見ると、180度前後の開きに見えます。

イングリッシュ・スプレッドカラーの平置き(伊勢丹より)
イングリッシュ・スプレッドカラーを着用。(伊勢丹より)
カッタウェイカラーの平置き(THE NINES PARISより)
カッタウェイカラーを着用。(THE NINES PARISより)

「平置きのディスプレイを見て、シャツをオーダーし、着用するとイメージが違った」と言う人がたまにいますが、平置き時と着用時では襟の角度は異なって見えることに注意してください。

イングリッシュ・スプレッドカラーは英国を代表する襟型

イングリッシュ・スプレッドカラーは、英国を代表する襟型であり、ウィンザー公やチャールズ皇太子等に、好んで着用されてきました。

ウィンザー公
シャツを平置きにして真上から見たときと同じような
角度で写真におさまっているウィンザー公。
襟の角度がおよそ180度であることがよく分かる。
チャールズ皇太子

着用シーン

イングリッシュ・スプレッドカラーは、ビジネスシーンに適切なドレッシーな襟型です。
また、タキシード(ブラックタイ)にも着用可能で、ノーネクタイでも着用可能です。
すなわち、燕尾服(ホワイトタイ)以外であれば、構いません。

Charles, Prince of Wales, black tie
スモーキングにイングリッシュ・スプレッドカラーを
合わせたチャールズ皇太子
Charles, Prince of Wales, chickens
イングリッシュ・スプレッドカラーを着用した
スポーティなスタイルのチャールズ皇太子

イングリッシュ・スプレッドカラーが似合う人

イングリッシュ・スプレッドカラーは、ホワイトタイを除き着用することができる襟型ですが、顔の輪郭との相性があります。
大きく開いた襟が顔の幅を広げる効果があり、特に面長の顔には似合います。

おわりに

イングリッシュ・スプレッドカラーは、英国を代表するエレガントな襟型です。
さらに、ブラックタイから、ノータイまで対応できる万能な襟型であり、丸顔以外であれば、この襟型を選べば間違いありません。

日本語のサイトで、「襟の開きが大きいシャツには大きなノットが相応しい」と述べられることがたまにありますが、チャールズ皇太子の写真を見ての通り、襟の開きとノットに関係はありません。

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