はじめに
少しずつ春の陽気を感じられるようになりました。
分厚いウールコートを着る人が減り、薄手のスプリングコートを見かけるようになりました。
コートの変化と同様、靴も春夏と秋冬では異なります。
今回は、春夏のスポーツコート(ジャケパンスタイル)に合わせる靴を厳選してご紹介したいと思います。
ローファー

ブラウン、タン、ホワイト、茶と白のコンビのローファーは、春夏の定番の靴です。
これらは、スポーツコートにはもちろんのこと、ポロシャツ姿にも合わせられ、必ず持っておきたい靴です。





(1942.6 esquire)

(1941.8 esquire)


ノルウィージャン

スポーツコートに合わせられるドレスシューズといって次に挙がるのはノルウィージャンです(日本では一般にUチップと呼ばれています)。
春夏には、ブラウン、タン、茶と白のコンビのノルウィージャンが定番です。
ノルウィージャンは、ゴルフシューズとしてよく用いられるデザインで、ポロシャツとの相性も良いです。
さらに、スポーティーなスーツにも合わせられることから、春夏にベージュやライトグレー等明るいスーツを着るという人にもおすすめです。
白を使ったノルウィージャンというのは1930年代後半以降、ストレートチップやウイングチップの白革靴に代わって、一般的になっていきました。
主観にはなりますが、ストレートチップやウィングチップのスペクテイターシューズと比べて、ノルウィージャンのスペクテイターシューズは、モダンな感じがあり、現代に相応しいトラディショナルシューズだと思います。

白を使ったノルウィージャンでない場合、秋冬でも問題なく着用でき、ブラウン、タンのノルウィージャンは、一年中、スポーティーなスーツからスポーツコートまで合わせられる非常に汎用性の高い靴です。



履いている。(1936.1 esquire)

(1936.8 esquire)

履いている。(1943.8 esquire)

茶のスムースレザーの
ノルウィージャンを合わせている
(右の紳士)。(1940.5 esquire)

茶のスムースレザーのノルウィージャンを
合わせている(右の紳士)。
(1937.5 esquire)

茶と白のノルウィージャンを合わせている。
(1936.8 esquire)

茶と白のノルウィージャンを合わせている。
(1936.7 esquire)

合わせたウィンザー公
ホワイトバックス

/alden-n6439-white-bucksshoe.html
夏の靴といえば、ホワイトバックス White Bucks です。
Bucks すなわち、Buck skin 牡鹿の銀面(革の表面)を削って起毛させた素材でできた靴です。
現在では、バックスキンは手に入れることが難しく、スエード(牛革の床面)で代用されることもあります。
靴の意匠は、プレーントーが基本で、古くは内羽根プレーントーが一般的でした。

高山能一訳(1981)
『エスカイア版20世紀メンズ・
ファッション百科事典〈日本語版〉』
スタイル社、p.296

(1937.8 esquire)
ホワイトバックスも、ノルウィージャンと同様、スポーティーなスーツにも合わせられます。

ホワイトバックスを合わせている。
(1937.6 esquire)
ホワイトバックスはアメトラの代名詞のように位置づけられており、アメトラが好きだという人でなければ、購入はローファーやノルウィージャンの後でもよいかもしれません。
起毛素材の靴

意外と思う方もいるかもしれませんが、スエードやバックスキン、ヌバック等起毛素材の靴も春夏に向いている靴です。
靴の意匠は、内羽根、外羽根、プレーントー、キャップトー、ウィングチップと特に問いません。
また、起毛素材の靴も、ノルウィージャンやホワイトバックスと同様、スポーティーなスーツにも合わせられます。

履いている。(1945.8 esquire)

履いている。(1940.8 esquire)

入ったバックスキンの靴を
履いている。(1934.8 esquire)

外羽根プレーントーを
履いている。(1941.6 esquire)

(1935.8 esquire)
おわりに
今回は、春夏のスポーツコート(ジャケパンスタイル)に合わせる靴をご紹介しました。
春夏にしか履けない靴を履きたいと思えば、
- ローファー(ブラウン、タン、茶と白のコンビ、白)
- ノルウィージャン(茶と白のコンビ、白)
- ホワイトバックス
秋や冬にも履くことができる春夏らしい靴を履きたいと思えば、
- ノルウィージャン(ブラウン、タン)
- 起毛素材の靴
がおすすめです。
メンズドレススタイルに興味を持ったばかりという人であれば、まずは後者から購入してみてはいかがでしょうか。
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