はじめに
日本のビジネスマンの多くは、無地のスーツ、無地のシャツ、柄のネクタイを組み合わせています。
濃紺無地のスーツ、白無地のシャツ、紺地に白のストライプのネクタイを身に着けたビジネスマンは典型的な例です。
ジャケット、シャツ、ネクタイと近接するアイテムのうち、1つだけに柄を使えば、簡単に垢抜けて見せることができます。
反対に、2つ以上アイテムに柄を使って組み合わせようとすると、途端に垢抜けて見せることが難しくなってしまいます。
今回は、ジャケット、シャツ、ネクタイの組合せを例に、柄の組合せの原則を解説したいと思います。
柄と柄の差がはっきりするように組み合わせる
近接するアイテムのうち、複数のアイテムに柄を使うとき、柄と柄の差がはっきりとするように組み合わせてください。
例えば、同じような柄が同じような大きさで並んでいると、雑然紛然として見た目がよくありません。
柄の組合せは、「異なる柄を組み合わせる場合」と、「同じ柄を組み合わせる場合」に大別することができます。
異なる柄を組み合わせる場合
異なる柄を組み合わせる場合とは、チェックとストライプといった異なる種類の柄同士を組み合わせることです。
このとき避けなければならないのは、小さい柄同士を組み合わせることです。
例えば、下の写真のように、ピッチの細かいストライプシャツとピンドットのネクタイを組み合わせることです。
このように小さい柄同士の組合せをじっと見ていると、目に優しくない印象を受けます。
錯視(目の錯覚)のような脳の混乱を招いているのでしょう。
下の写真のように、小さい柄には大きい柄を合わせてください。
また、柄が異なることがはっきりと認識できるくらい大きい柄であれば、同じくらいの大きさの柄同士を合わせても問題なく、むしろバランスよく見えます。
下の写真では、大柄同士を合わせた例です。
異なる柄同士を組み合わせるときは、小さい柄同士を組み合わせないでください。
同じ柄を組み合わせる場合
同じ柄を組み合わせる場合とは、キャンディストライプ(3mm前後の等間隔に並んだ細縞)とペンシルストライプ(鉛筆で線を引いたような太さの縦縞)といった同じ種類の柄同士を組み合わせることです。
例えば、サックスと白のキャンディストライプのシャツと、ミディアムグレー地に約15mmの等間隔に並んだ白のペンシルストライプのスーツの組合せです。
このように、同じ柄同士を組み合わせるときは、柄の大きさ・間隔が異なるようにしてください。
近接するアイテムのすべてに柄を使うことは推奨しない
ジャケット、シャツ、ネクタイのすべてに柄を使うことは基本的におすすめしません。
ごちゃごちゃと見えないように組み合わせることは非常に難しいことだからです。
それを承知の上で、挑戦したい人のために、場合分けをして解説したいと思います。
柄と柄の差がはっきりとするように、
・異なる柄同士を組み合わせるときは、小さい柄同士を組み合わせない。
・同じ柄同士を組み合わせるときは、柄の大きさ・間隔が異なるようにする。
という原則は変わりません。
3つの異なる柄を組み合わせる場合
小さい柄を使う場合は、3つのうち、1つにしてください。
上の写真は、大柄チェック[ジャケット]、中柄ストライプ[シャツ]、大柄小紋[ネクタイ]の組合せです。
2つの同じ柄と1つの異なる柄を組み合わせる場合
2つの同じ柄は、柄の大きさ・間隔が異なるようにしてください。
このとき、1つの異なる柄が小さい柄、かつ2つの同じ柄のうちの1つが小さい柄というように組み合わせないでください。
そのようにすると、異なる2つの小さい柄を組み合わせることになってしまいます。
上の写真は、小柄チェック[ジャケット]、中~大柄ストライプ[シャツ]、大柄ストライプ[ネクタイ]の組合せです。
3つの同じ柄を組み合わせる場合
大中小というように、3つの柄の大きさ・間隔が異なるようにしてください。
明確に大中小の差をつけることは容易ではないため、前述の2つの場合に比べて、組合せの難易度は高くなります。
上の写真は、中柄ストライプ[ジャケット]、小柄ストライプ[シャツ]、大柄ストライプ[ネクタイ]の組合せです。
4つの柄を組み合わせる場合
最後に、ジャケット、シャツ、ネクタイに加えて、ポケットチーフを組み合わせる場合を考えてみたいと思います。
4つもアイテムがあれば、柄の大きさ・間隔を大中小と明らかな差をつけることが困難であるため、これらすべてを同じ柄とすることは至難の業です。
4つの柄を組み合わせるという難題の解決策は、4つの柄をすべて異なるようにするということです。
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