エドワードグリーン 808ラスト
エドワードグリーンは1890年に英国 ノーサンプトン Northampton で創業した高級靴メーカー。
1866年創業のジョンロブ John Lobb と並んで最高峰の英国靴と称されています。
ジョンロブはロンドン リージェント通り Regent Street に構えるビスポーク専門店が出自である一方、エドワードグリーンは小さな工場としてスタートしたことから、ブランドの格は少し異なるのではないかと思っています。
唐突にジョンロブという別のメーカーの名前を出しましたが、実は両ブランドには深い関わりがあります。
1990年代中頃、技術力に定評があったエドワードグリーンはエルメス Hermes に買収されました。
それ以降、現在に至るまでエドワードグリーンの靴を製造していた工場で、エルメス傘下のジョンロブ パリ John Lobb Paris の靴(一般に百貨店等で販売されている既成靴)を製造しています。
新工場に移転して新たなスタートを切ったエドワードグリーンが名声を取り戻すきっかけとなったのが、808ラストの誕生です。
今回はエドワードグリーン 808ラスト(モデル名:グラッドストーン Gladstone)をご紹介したいと思います。
甲の低さ
808は歴代で最も甲が低いといわれているラスト。
足の甲が低い私にとって快適なラストですが、それでも履き始めは親指の根本を噛まれるような感覚がありました。
フォルムの美しさに惹かれて購入したものの、履き慣らすことができず、なくなく売却したとの声も聞きます。
足の甲が低く、履き皺が深く入ってしまうという方には是非おすすめしたいラストです。
かかとの大きさ
一般的に英国靴はかかとが大きいが、エドワードグリーンは比較的かかとが小さいとの声もあります。
エドワードグリーンと一口に言っても、複数のラストがあり、808に限って言えば、特にかかとが小さいとは思いません。
履き始めはソールの硬さも手伝って、かかとが抜けるような感覚がありました。
履き慣らした現在では、ソールの返りが良くなり、かかとが抜ける感覚はおおむね改善されましたが、それでもよくフィットしているとは言えません。
同じく英国靴のアンソニークレバリー Anthony Cleverley シバンシィ de Givenchy と、スペイン靴のカルミナ Carmina シンプソン Simpson ラストを比較対象として並べてみました。
エドワードグリーン 808ラストは、いずれの靴よりもかかとが大きいことが分かります。
土踏まず
エドワードグリーンの靴は土踏まずが持ち上げられているような感覚があるとよく言われます。
実際に履いてみると、土踏まずを支えられている感覚があり、独特の気持ちよさを感じます。
土踏まずの絞り込みがその要因という人もいますが、絞り込みも然ることながら、土踏まずの部分の硬さにあるのではないかと考えています。
土踏まずの絞り込みだけであれば、アンソニークレバリー ジバンシィの方がよく絞り込まれていますが、エドワードグリーン 808の方が土踏まずを支えられている感覚が強いです。
エドワードグリーン 808の土踏まずの部分を触ると、アンソニークレバリー ジバンシィにはない硬さを確認することができます。
今回は以上になります。
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ではまた次の機会に。
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