はじめに
「ブレイシスのメリット」の続きです。
ブレイシスを見せても良い
古くはシャツが下着であったように、ブレイシスも人目に触れぬよう、ウエストコート(ベスト)やジャケットで覆い隠すものでした。
ウエストコートがほとんど着られなくなった戦後から70年以上を経た現在では、フォーマルウェアを除いてブレイシスやシャツが人目に触れることは問題ありません。
ボタンで留める
ブレイシスにはボタンで留めるタイプと、クリップで留めるタイプがありますが、前者を推奨します。
後者は、子供っぽい外見もさることながら、クリップではさみ、重みが掛かることで生地が傷みます。
既製品にブレイシスのボタンが付いていることはほとんどないため、ボタンの取り付け方の一例をご紹介します。
ブレイシスのボタンはすべてで6個用い、うち2つを後ろ、4つを前に取り付けます。
ボタンが人から見えないようにボタンをウエストバンドの内側に取り付けても、外側に取り付けてもどちらでも構いません。
ウエストコートを必須としない現代においては、内側に取り付けることが多いです。
後ろのボタンは、トラウザース中央の縫い目から約5cm離れ、ウエストバンドの上端から約2.5cm下の位置に取り付けます。
ボタン同士は約10cm離れていることになります。
前のボタンは、クリースの延長線上、ウエストバンドの上端から約2.5cm下の位置に取り付けます。
残り2つのボタンは、その取り付けたボタンから側面に約5cm離れた位置に取り付けます。
撫で肩の人
撫で肩の人は、前のボタンをクリースの延長線上に付けず、クリースの延長線上を中心に、左右に約2.5cm離れた位置に取り付けると、ブレイシスがより体の中央に位置することになり、ずれ落ちにくくなります。
ボタンの位置以外に、例えば、Y型のブレイシスであれば、二股に分かれる分岐点をより背中付近に持ってくることによってずれ落ちにくくすることができます。
ウエストはやや緩める
ブレイシスで吊る場合、ベルトを締めるときのようにウエストをきつくする必要はありません。
これはブレイシスのメリットと言える点であり、ブレイシスを着用する際は違和感のない範囲でウエストを緩めることをお勧めします。
ベルトと一緒に着用しない
ブレイシスとベルトを両方一度に着用しないでください。
トラウザースを適切な位置に保持するという役割が重複してしまいます。
ウエストコートとタイバーを一緒に着用するのと同じくらいおかしいことです。
ブレイシス用のボタンを付けたトラウザースにはベルトループを付けないことをお勧めします。
ブレイシスで吊っているトラウザースにベルトの通っていないベルトループが付いている姿は美しく見えません。
シャツでいうコンバーチブルカフス(ボタンでもカフリンクスでも留めることができるカフス)のようなものです。
街のお直し屋さんに頼めば、それほど財布の痛まないような金額でベルトループを外してくれます。
「ブレイシスの選び方」に続きます。
コメント