マフラーの巻き方

目次

はじめに

今回は、オーセンティックなマフラーの巻き方を3つご紹介します。
下図のように単に首に掛けるスタイルは除き、首を一周させる「巻く」スタイルを取りあげます。

1943.1 esquire


なお海外では、日本のようにスカーフとマフラーを厳密に区別しないため、本稿では素材(シルク・ウール等)に関わらず、首に巻く布をまとめて「マフラー」と表記します。

パリジャンノット The Parisian Knot / The Slip Knot

プリンスオブウェールズのちのウィンザー公
https://www.dailymail.co.uk/news/
article-9433341/Soviet-spy-Anthony-Blunt-
gave-KGB-letters-Queens-uncles-showed-
depth-Nazi-sympathies.html

パリジャンノットは、日本においてワンループ巻き、ループ巻き等と呼ばれ、今日では最も一般的な巻き方の一つです。
巻き方はとても簡単で、マフラーの両端を揃えて二つ折りにし、できたループに両端を通せば完成です。
かつては28インチ(約71cm)や36インチ(約91cm)だったマフラーが72インチ(約183cm)へと長くなっていく中で、その長さと特に相性の良い結び方として定着しました。
パリジャンノットは、フォーマルウェアを除けばほとんどあらゆるスタイルにマッチします。

カバートクロスのゴルフブルゾン、
チェック柄のウールマフラー、
シェットランドトラウザース(左の紳士)。
(1938.4 esquire)

“Probably the most significant style development in mufflers,” reported Men’s Wear in 1933, “was the rather wide acceptance of the hacking scarf in some of the larger cities. Originally worn by the Prince of Wales in a spotted foulard, this muffler, measuring 72 inches in length and worn with the two ends placed together and slipped through the loop formed in the middle, sold well in both foulards and cashmere. The former were usually in blue or wine set off with white dots, while the latter ran to checks and plaids.
「マフラーにおける最も重要なスタイルの発展は、おそらくいくつかの大都市で広く受け入れられたハッキングマフラーだろう」と1933年の『メンズウェア』誌は報じた。元々はプリンス・オブ・ウェールズが着用した水玉模様のフーラードマフラーを起源とするこのマフラーは、長さが72インチ(約183cm)あり、両端を合わせて二つ折りにし、できたループに両端を通して着用する。フーラードとカシミヤの両方でよく売れた。前者は通常、白のドットが映える青やワイン色で、後者はチェック柄が多かった。

O.E. Schoeffler, William Gale, Esquire’s encyclopedia of 20th century men’s fashions, New York: McGraw-Hill, 1973, p.252

肩掛け巻き The Shoulder Toss

コーデュロイスーツ、
カシミヤのネクタイ、
ウールのフェアアイルマフラー。
(1939.10 esquire)
1939 Apparel Arts

もう一つは肩掛け巻きです。
こちらも非常に簡単で、首に掛けたマフラーの片端を背中側に軽く放るだけの巻き方です。
この動作から、海外では、”shoulder toss” と呼ばれています。
利き手である右手で放り投げると、自然と左肩側でマフラーが交差する形になります。
単に片端を後ろに送るだけの気取らない巻き方で、ほどよいラフさがあり、スポーティなスーツやスポーツコートの装いと好相性です。

なお、シルクフーラードは滑りやすく安定感に欠けるため、このスタイルには中厚から厚手のウールやカシミヤのマフラーのほうが適しています。

And when a wealthy sportsman went off to ski at St. Moritz, his ski outfit inevitably included a muffler of a brightly colored knit or cashmere, and it was the fashion to wear it twisted over the left shoulder, with one end hanging down the back and the other down the front.
裕福なスポーツ愛好家がサンモリッツへスキーに出かける際、そのスキーウェアには必ず鮮やかな色のニットやカシミヤのマフラーが組み込まれており、左肩で交差し、一方の端を背中側へ、もう一方の端を前に垂らすスタイルが流行していた。

O.E. Schoeffler, William Gale, Esquire’s encyclopedia of 20th century men’s fashions, New York: McGraw-Hill, 1973, p.252

オーバーハンドノット The Overhand Knot / The Ascot Knot

(1940.11 esquire)

3つ目にご紹介するオーバーハンドノットは、古典的には最も一般的な巻き方です。
次の図のように、身体の正面で一結びし、アスコットタイのように形を整えれば完成です。

http://www.howtotieatie.org.uk/2015/02/03/how-to-tie-a-scarf-over-hand-2/

この結び方は、前述の二つの結び方に比べ、短いマフラーでも容易に結べる点が特長です。
また、この結び方は装いを選ばず、フォーマルウェアからスポーツコート、ブルゾンまで幅広く対応します。

礼装用の白のシルクマフラー
(1939.10 esquire)
リネンジャケット、グレーフランネルトラウザース、
薄手のウールマフラー(左の紳士)。
(1935.7 esquire)
チェック柄のウールマフラーを
オーバーハンドノットで巻くゴルフプレイヤー
(右の紳士)。(1936.9 esquire)

終わりに

今回はオーセンティックなマフラーの巻き方を3つご紹介しました。
巻き方と適した装いは次のとおりです。

  • パリジャンノット:フォーマルウェアを除く全般
  • 肩掛け巻き:スポーティなスーツ~スポーツコート、ブルゾン
  • オーバーハンドノット:全般

オーセンティックなこれらの巻き方はいずれも簡単です。
マフラーは、あれこれ凝るよりも、シンプルに巻くほうが洗練されて見えます。

今回は、以上になります。
ご感想、ご質問、リクエスト等お気軽にコメントください。
ではまた次の機会に。

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