ニットベストのすすめ(メリットと着こなしのポイント)

目次

はじめに

ようやく重ね着が楽しめる季節がやってきました。
重ね着といえば、ニットということで、今回は、ニットベストのメリットと着こなしのポイントについて解説したいと思います。

メリット

➀アクセントになる

ニットベストを着こむことで暖かさが増すのはさることながら、装いにアクセントをつけることができます。

ツイードキャップ、
ブラウンベースのツイードスポーツコート、
タンカラーのオックスフォードシャツ、
グリーンのフーラードタイ、
白のアルパカ素材のニットベスト、
ライトグレーフランネルトラウザース、
茶のバックスキンの外羽根シューズ
(1934.4 esquire)

明度の高い白がVゾーンの中でよいアクセントとなっている。
クリケットベスト(テニスベスト)

➁スポーツコートの下に着用しても嵩張らない

袖付きのセーターも前述のようにVゾーンにアクセントをつけることができますが、ニットベストのよいところは、スポーツコートの下に着用しても嵩張らないということです。
これらをスポーツコートの下に着て比べてみると、ニットベストは袖がない分、腕が動かしやすく快適です。
スポーツコートの下に着用するのであれば、ニットベストはおすすめです。

③コンパクトに収納できる

ニットベストは、コンパクトに折り畳むことができ、スポーツコートやオーバーコートに比べて旅行等に持っていきやすいアイテムです。
スポーツコートを1着、ニットベストを2着持って出掛ければ、ニットベストありで2パターンと、ニットベストなしの合計3パターンの装いが楽しめます。
ネクタイも加えれば、さらに多くの組み合わせをつくることができます。
もとより、場所を取らないというのは、普段自宅に置いておく際にもメリットになります。

着こなしのポイント

➊オッド・ウエストコートのように着用する

元々カントリーサイドで着用されていたニットベストは、時代の流れとともに、従来の布帛のウエストコートに代わる街着として認められるようになりました。
この際、上着と異なる色柄のニットベストを組み合わせて、いわゆるオッド・ウエストコートのように着用されてきました。
したがって、ニットベストは上着と同化しないよう着用することが望ましいです。
例えば、フェアアイル柄のニットベストや、上着と異なる色相のニットベストを選択するということです。
このとき、ネクタイやシャツ、ポケットチーフ等の色と合わせる(≠一致)よう、ニットベストの色を選ぶと服装全体がうまくまとまります。

As a result of this rustic invasion of urban wardrobes, a lot of the established rules of dress began to crack up. ~中略~ Next, by the shining example of Mayfair’s bright young people, the use of a pullover as a substitute for a vest was also sanctioned.
これまで田舎で着用されてきた服装が都会のワードローブに持ち込まれた結果、既成の装いのルールの多くが崩れ始めた。次に、メイフェアの聡明な若者たちの優れた着こなしによって、ベストの代用としてプルオーバーの使用も認められるようになった。

1934.5 esquire p.111

This newfound interest in sportswear even crossed over into the business sector as men, returning from the country, slowly integrated their “country gentleman” wardrobe into their business attire. This included tweed raglan-shouldered topcoats, sleeveless sweaters and cardigans in place of proper vests, and tattersall soft-collared shirts.
スポーツウェアへの新たな関心はビジネス分野にも及び、田舎から戻った男性たちは、「カントリージェントルマン」のワードローブを徐々にビジネスウェアに取り入れていった。ツイードのラグランショルダーのトップコート、正式なベストの代わりにノースリーブのセーターやカーディガン、タッターソールのソフトカラーシャツ等である。

Alan Flusser, Clothes and the man, New York: Villard Books, 1985, p.144
ボウラーハット、カバートクロスのオーバーコート、
白黒のダイアゴナル柄のシェットランドスーツ、
ネイビーブルーのスリップオーバー、
ブルー系のストライプ柄のシャツ、
ストライプ柄のネクタイ、ポケットチーフ、
起毛素材の茶の内羽根の靴
(1934.5 esquire)
ウィンドウペイン柄の茶のシェトランドスポーツコート、
青と白のストライプ柄のオックスフォードシャツ、ニットタイ、
ネイビーブルーのスリップオーバー、ポケットチーフ、
ライトグレーのフランネルトラウザース、
茶のスエードの外羽根プレーントー
(1934.10 esquire)
ネイビーブルーのニットベストを
着用するブルース・ボイヤー氏
https://articlesofstyle.com/blogs/news/
a-discourse-on-american-style-feat-bruce-boyer
キャップ、ヘリンボーン柄の茶のツイードスーツ、
薄いブルーのオックスフォードシャツ、
イエローのスリップオーバー、
ストライプ柄のネクタイ、
起毛素材の茶の外羽根の靴
(1947.6 esquire)
緑がかったツイードのニッカースーツに、
オレンジのネクタイ。
ウールのホーズ、グレーのグレナカートチェックの
フランネルのシャツ、
ワイン色のニットベスト。
(1935.4 esquire)
ハット、
ウィップコードスーツ、
タンカラーの
オックスフォードシャツ、
グリーンの
ヴェルヴェッドタイ、
グリーンのウールホーズ、
チャッカブーツに、
フェアアイルスリップオーバー
(1939 Apparel Arts)

➋スポーティなスーツ・スポーツコートに合わせる

前述のように、元々カントリーウェアであるニットベストは、紡毛やコーデュロイ等のスポーティなスーツ・スポーツコートに合わせることが望ましいです。
これは以前ご紹介したタートルネックの着こなしと考え方は同じです。

おわりに

今回は、ニットベストのメリットと着こなしのポイントを解説しました。それぞれ次のとおりです。

  • メリット
    • アクセントになる
    • スポーツコートの下に着用しても嵩張らない
    • コンパクトに収納できる
  • 着こなしのポイント
    • オッド・ウエストコートのように着用する
    • スポーティなスーツ・スポーツコートに合わせる

今回は、以上になります。
ご感想、ご質問、リクエスト等お気軽にコメントください。
ではまた次の機会に。

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