はじめに
ドレスシャツの色といえば、白とサックスブルーが定番ですが、それら以外にオーセンティックかつ使い勝手のよいシャツにアイボリーやクリーム、エクリュといった色のシャツがあります。
これらの色に関してJIS慣用色名(日本産業規格『JIS Z 8102:2001 物体色の色名』)では次のように説明しています。
- アイボリー ivory:赤みを帯びた黄みのうすい灰色(明度8.5、彩度1.5)
- クリームイエロー cream yellow:ごくうすい黄(明度8.5、彩度3.5)
- エクルベイジュ ecru beige:うすい赤みの黄(明度8.5、彩度4)
※ちなみに、白は「白(明度9.5、彩度なし)」 、黄色は「あざやかな黄(明度8、彩度14)」。
いずれの色も黄色が含まれることと薄いことが特徴であり、今回は、「黄みを帯びた明度が高く彩度が低い色」のシャツ(以下、クリームカラーシャツという)に合うスーツ・スポーツコートや、このシャツにネクタイを合わせる際の留意点について解説したいと思います。
ブラウンと紡毛
よく晴れた空の下では、白シャツはまぶしく見えますが、クリームカラーシャツはVゾーンを自然に見せてくれます。
その点で、クリームカラーシャツはスポーティーなブラウンのスーツ・スポーツコートや、光沢のないツイードやフランネル等紡毛のスーツ・スポーツコートと相性がよいです。
ただし、ベージュの上着を合わせる場合は、Vゾーンをはっきりさせるよう、淡いネクタイ(明度が高く彩度が低いネクタイ)を避けることが望ましいです。

タンカラーのブロードクロスシャツ、
グリーンタイ、
グリーンの靴下、茶のストレートチップ
(1946.9 esquire)

チェック柄のツイードスポーツコート、
タンカラーボタンダウンオックスフォードシャツ、
ブラウン地に赤とイエローの柄のプリントウールタイ、
イエローのプルオーバーセーター、
フランネルトラウザース、起毛素材の靴
(1946.10 esquire)

合わせるチャールズ国王。
ジャケットとシャツともにベージュであるが、
濃いネクタイを締めることで
メリハリのついたVゾーンとなっている。
グレー・ネイビー
クリームカラーは暖色ですが、無彩色のグレーや寒色のネイビーのスーツ・スポーツコートとも合わせることができます。
白シャツが堅い印象を与えるのに対して、相対的にジャケットとのコントラストが弱く、暖かみのあるクリームカラーシャツは親しみやすい印象を与えます。
グレーやネイビーの梳毛のスーツであってもクリームカラーシャツを合わせることができます。

タンカラーオックスフォードシャツ、
ブルーのネクタイ
(左の紳士)(1943.5 esquire)

フランネルスーツ、
アイボリーカラーシャツ、
赤と青のレップタイ、
黒の内羽根ストレートチップ
(1941.4 esquire)

アイボリーカラーシャツ、チェック柄のタイ
(1939.10 esquire)

アイボリーカラーシャツ、黒の内羽根のストレートチップ
(1947.7 esquire)

白のポケットチーフを差していても
クリームカラーシャツを着ていることに
気がつく人は少ないだろう。
おわりに
今回は、クリームカラーシャツの着こなしについてご紹介しました。
クリームカラーシャツに合わせる主な推奨アイテムは次のとおりです。
- スーツ・スポーツコート:梳毛又は紡毛のブラウン・グレー・ネイビー、紡毛のベージュ等
- ネクタイ:スーツ・スポーツコートがベージュの場合は淡いネクタイ(彩度が低く明度が高いネクタイ)を避ける。
今回は、以上になります。
ご感想、ご質問、リクエスト等お気軽にコメントください。
ではまた次の機会に。
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