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ドーメル トニック Dormeuil Tonik

目次

はじめに

スーツ生地の中で、とりわけ有名で、春夏の定番であるドーメル トニック Dormeuil Tonik を取り上げたいと思います。

ドーメル トニックとは

1842年創業のフランスの服地マーチャントであるドーメルによって、1957年にスーツ生地 Tonik が発売されました。
Tonik は、ウールにモヘアを混紡した服地であり、当時の技術では、モヘアを混紡することが難しく、画期的な服地でした。
この服地が完成した際に、ジン・トニックで祝杯を挙げたことから Tonik と命名されたと言われています。



2019年から、オリジナル Tonik の風合いをウール100%で表現した Tonik Wool という服地が販売されており、 Tonik は脈々と受け継がれています。

今回は、私が所有している Tonik 2000 で仕立てたスーツをご紹介したいと思います。

Tonik 2000

服地の概要と着用時期

Tonik 2000 は、70%ウール・30%モヘア、目付325g/m のスーツ生地です。
織り方にも左右されますが、春夏の服地は、250g/m以下が一般的であり、325g/mの Tonik 2000は、厚手の服地といえます。
春夏の服地として紹介されることが多いですが、実際には合いものといった表現が適切だと思います。

東京では、4月に入ると気温が20度を超える日が増え、冬物を着用するのが辛くなってきます。
このような気温になってくると、 Tonik 2000 の出番です。
25度以上の夏日を迎えるまでは快適に着用することができます。

着用感

清涼感がある

モヘアとウールの毛の太さの違いや、織り方に起因する通気性のよさと、モヘア特有のシャリ感によって、325g/mという目付に反して、想像以上に清涼感を感じられます。
ただし、モヘア特有のシャリ感を、チクチクすると感じられる方もおり、肌が敏感な方にはおすすめしません。

ウールに比べて硬い着心地

ウール100%の服地に比べて、モヘアを混紡した Tonik 2000 は硬さがあります。
ジャケットを着用して腕を動かすと、それをより実感できます。
タイトなフィッティングでは、動きづらさを感じますので、ゆとりのあるサイズ感でお仕立て、あるいは、ご購入されるのがよいと思います。

見た目

マットな質感

マットでザラザラしている。

モヘアは、ウールに比べて、滑らかな繊維であり、縮れが少ないため、光沢が出やすいです。
Tonik 2000 は、モヘアの混紡率が適度であり、メタリックな光沢はなく、どちらかというとマットな質感です。

クリースがシャープに入り、シワになりにくい

一日デスクワークを行った後。
しっかりとクリースが残っている。
(太もものシワがやや目立つ。
アイロンがけを怠っていたことを反省。)

モヘアには、クリースがシャープに入ることや、シワになりにくいことといった利点があります。
ビジネスシーンではきちんとした印象を与え、特に、外回りや出張といった活動的なビジネスマンには心強い味方になってくれるでしょう。

水を含んだときの膨張率の違いによる凹凸が生じにくい

モヘアの混紡率が30%というのも、ちょうどよいと思います。
経験上、モヘアの混紡率が60%以上のスーツを雨の日に着用すると、水を含んだときの繊維の膨張率がモヘアとウールで異なることによって、服地の表面に凹凸が生じることがあります。
モヘアの混紡率が30%の Tonik 2000 では、表面の凹凸が気になったことはありません。
(「ジメジメした梅雨時期に、モヘアの清涼感が向いている」という声もありますが、梅雨時期に着用することを前提にするなら、モヘアの混紡率を抑えた方がよいと思います。)

仕立て映えがする

手縫いというのもあるが、ラペルがきれいにロールしている。

前述のように、 Tonik には硬さがあり、いわゆる仕立て映えのする服地です。
構築的な仕立てのスーツに用いると、服地の特徴が活きると思います。

おわりに

モヘア混紡の服地として代表的な Tonik や、Tonik 2000 で仕立てたスーツの、推奨する着用時期や着用感、見た目をご紹介しました。
ウールのスーツしか持っておられないという方には、ぜひモヘアをおすすめしたいと思います。

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