シャツの正しいイニシャルの位置・大きさ

目次

はじめに

シャツをオーダーすると、「イニシャルは、どうされますか?」と聞かれることがあります。
「お願いします。」と一言いって、イニシャルの場所を指定しなければ、襟元のブランドタグの下に、イニシャルを書いたタグが取りつけられることが一般的です。

伊勢丹のオーダーシャツ
https://www.imn.jp/post/108057202405

最近では、オーダーメイドをこれ見よがしに主張しようと、白いカフスの上に、色のついた糸で堂々と名前(イニシャルではない)を入れる人もいます。

本来、イニシャルはどこに、どんな大きさで、どのような表記で入れるとよいのでしょうか。
今回は、シャツに入れるイニシャルについて解説したいと思います。

イニシャルの位置

イニシャルの位置について、アラン・フラッサー氏は次のように述べています。

Most monograms should be situated about 4 inches to the left of the shirt placket’s center.
(中略)
the monogram’s lower altitude usually appears roughly 14 inches from his neck point or 4 to 5 inches above the trousers waistline.
ほとんどのモノグラムは、シャツの前立ての中心から左に約4インチ(約10cm)に位置すべきである。
イニシャルの高さは、通常、ネックポイント(首のつけ根の部分で、えりぐりと肩の線が合う点)から下に約14インチ(約35.5cm)、あるいは、ウエストバンドから上に4〜5インチ(約10~13cm)である。

Alan Flusser, Dressing the Man, New York: Harper Collins Publishers, 2002, pp.141,142


ウィンザー公は、上記で述べられているような位置にイニシャル(ウィンザー公の場合、Edward VIII の ” E ” と王冠を組み合わせたロゴ)を配しています。

ジャケットをはだけたときに覗くイニシャルが美しい。

ポイントは、ジャケットやウエストコートを着用したときに、イニシャルが隠れることです。

イニシャルは、本来、シャツの所有者を見分けるためのものです。
間違っても、オーダーメイドだと他人に自慢するためのものではありません。
(そもそも昔はオーダーメイドが当たり前でした。)
したがって、シャツは下着であるという伝統的な考え方に則って、シャツの上に、ウエストコートやジャケットを着こんだときに、イニシャルが隠れる位置が正しい位置になります。
慣習的に、左身頃のウエストバンドの上あたりにイニシャルがつけられてきました。

イニシャルの大きさ

同様に、アラン・フラッサー氏の言葉を引用します。

For the shirt monogram to create a touch of class, lettering style should be simple and small, no larger than 1/4-inch high.
シャツのイニシャルに気品を持たせるために、シンプルで小さく、高さは0.25インチ(約6mm)以下にします。

Alan Flusser, Dressing the Man, New York: Harper Collins Publishers, 2002, p.141

シャツの所有者を見分けるためのものというイニシャルの本来の意味に照らせば、外観に影響を与えない大きさが望ましいです。

イニシャルの書き方

次に説明するのは、シャツに限った話ではなく、イニシャルを書くときのルールです。
基本的には、英語圏の表記にならって、名→姓の順に表記します。
※人類の持つ言語や文化の多様性を尊重するよう、2020年1月1日から公文書に日本人の名前をローマ字で書く際、姓→名の順で表記することとなりました。これからは、イニシャルの表記にも変化があるかもしれません。
山田太郎であれば、Taro YAMADA です。
これを省略して、T. Y. となります。
姓名ともに頭文字は大文字であるため、イニシャルも大文字で書かれるのが正しく、小文字で表記することは間違いです。
このとき、ピリオドは省略を表しているため、Yの後にもピリオドを表記します。
さらに、ピリオドも省略することができます。
例えば、アメリカを表すとき、U. S. A. と表記するほか、単に USA とも表記します。
したがって、イニシャルは、 T. Y. または T Y と表記することが正しいです。

イラストであるからか、サイズは少し大きい。
(2006.7 esquire)

また、よく見かけるのは、上記のように、ブロック体です。
シャツの所有者を見分けることを考えれば、凝った書体ではなく、はっきりと見分けがつくブロック体が望ましいです。

イニシャルの色

ウィンザー公のように、シャツと同系色にすると、悪目立ちしません。

ただし、イニシャルは高さ6mm程度と小さいサイズであり、シャツと対照的な色を選んでも構いません。
また、文字の濃さは、イニシャルが読み取れる程度に濃いほうが良いでしょう。

終わりに

これまでの解説を表にまとめます。

イニシャルの位置シャツの前立ての中心から左に約10cm、ネックポイント※首のつけ根の部分で、えりぐりと肩の線が合う点から下に約35.5cm、あるいは、ウエストバンドから上に10~13cmの位置。

身長や腹囲によってもバランスは変わってくるため、上記を目安に、シャツの左身頃の中央、トラウザース寄りに位置するようにする。
イニシャルの大きさ約6mm
イニシャルの書き方例えば、山田太郎であれば、 T. Y. または T Y
ブロック体が望ましい。
イニシャルの色色の濃さは、イニシャルが読み取れる程度で、色は基本的に好みだが、シャツの色と同系色であれば、悪目立ちしにくい。

イニシャルは小さく、さりげなく入っていると、アンダーステイトメントで見栄えがします。

よかったらシェアしてね!

コメント

コメントする

目次
閉じる