ウィンザー公に学ぶジャケットの着丈

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はじめに

ジャケットの着丈は着る人のプロポーションを左右する重要なファクターです。
着丈が長ければ、それだけ脚が短く見えてしまい、短ければ、つんつるてんで貧相に見えてしまいます。

一般に、「着丈はお尻を隠す長さ」と言われています。
しかし、言葉通り、お尻を隠せばいいのかというと、そう単純な話ではありません。
股下まですっぽりと覆い隠す長さがよいという意見や、お尻の3分の2が隠れればよいという意見等があり、判然としません。

それもそのはずで、身長が低い人が股下まですっぽりと覆い隠す長さにしてしまうと、上半身が長く見え、プロポーションが悪く見えてしまいます。

今回は、稀代のウェルドレッサー、ウィンザー公から着丈の長さ、バランスを検証したいと思います。
ウィンザー公は身長170cmであり、日本人の平均身長170cmと等しいため、参考となるのではないかと思います。

ウィンザー公

https://www.esquire.com/style/mens-fashion/
advice/g457/best-dressed-men-list/?slide=61

ファッション感度が高い方には今更解説するまでもありませんが、簡単にウィンザー公の解説です。

  • 元英国国王エドワード8世、エリザベス女王の伯父にあたる。
  • 離婚歴のある米国人女性ウォリス・シンプソンと結婚するために英国国王をわずか325日で退位し、以来ウィンザー公として知られる。
  • 20世紀最大のウェルドレッサーとして次のようなものを普及させた。
    • パナマハット
    • スナップブリムフェルトハット
    • プリンスオブウェールズチェック(直接の名前の由来は祖父のエドワード7世)
    • ダブルブレステッドのディナージャケット
    • ミッドナイトブルーのディナージャケット
    • フェアアイルセーター
    • スプレッドカラーシャツ
    • ダブルモンクストラップシューズ
    • 茶のバックスキンシューズ

ウィンザー公の着丈

〈後ろから見た着丈〉

https://thefirstwaltz.tumblr.com/post/25123848560
/misshonoriaglossop-the-duke-of-windsor-views

ウィンザー公の斜め後ろ姿を見ると、着丈は股下まですっぽりと覆い隠す長さではないことが分かります。
お尻の最も出っ張っているあたりまでの長さというように見えます。

〈前から見た着丈〉

着丈は親指のつけ根あたりまでに見えます。
着丈は親指のつけ根あたりまでに見えます。
着丈は親指のつけ根あたりまでに見えます。
着丈は親指の第一関節あたりまでに見えます。
着丈は親指の第一関節あたりまでに見えます。

ウィンザー公を前から見ると、着丈は親指のつけ根~親指の第一関節あたりまでに見えます。

終わりに

ウィンザー公を前と後ろから見て、着丈がどれくらいあるかを検証しました。
お尻を隠す長さといっても、股下まですっぽりと覆い隠すような長さではないことが分かりました。
試着をして後ろの丈が確認しづらければ、前から見て、親指のつけ根から親指の第一関節あたりまでの着丈であることも目安となります。

以前解説したシャツの袖丈の長さでは、布帛で伸縮性のない素材であっても、スムーズに腕を動かせるよう、十分な長さが必要という実用性に依拠していましたが、ジャケットの着丈はプロポーションに依拠しています。
前述の内容を目安としつつ、体格を勘案し、全体のバランスを見て着丈を決めるのが望ましいと思います。

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